ミツバチサミット2017
先住民ナワット族とトトナカ族を中心としたトセパン協同組合(以下、トセパン)は、
首都メキシコシティから車でおよそ6時間のところにあるプエブラ州クエツァランという町に本部を置く生産者組合です。
クエツァランは山岳地域にある自然豊かな町で、人口の多くが先住民です。
トセパンは、木を切らずに森の中でさまざまな作物を栽培する「森林農法(アグロフォレストリー)」によって、
有機コーヒーやスパイス、ハチミツなどを栽培しており、この一帯には生物多様性豊かな森が広がっています。
この森では果樹や建築資材などの樹木、さらには薬草や装飾用の花も得ることができます。
こうした多様な樹木や作物が鳥や昆虫、動物などを呼び、とてもに豊かな土壌と生態系をつくりだしています。
森林農法は、世界的に森林減少や地球温暖化が問題となっている中、注目されている農法であると同時に、
この森と共に暮らしてきた先住民族の伝統や文化を守り続けることにもつながります。
トセパンにおける養蜂は、一般的な木箱でなく、伝統的に素焼きの壺が巣箱として使われています。
針がないので刺される心配はなく、誰でも手軽に作業ができるため、女性や子どもが養蜂の手伝いをする姿がよく見られます。
ミツバチは家族の一員と考える彼らは、その壺を家の軒下に置いて大切に飼っています。
「発酵」というプロセス
森の中のさまざまな花から集められたこのハチミツには、あらゆる風味が凝縮しています。
フルーツの甘さ、かんきつ類の酸味などの風味が口の中に広がります。
そして、このチミツづくりにおける一番の特徴は、「発酵」という興味深いプロセスです。
ハチミツをタンクに入れ、半年ほど寝かせることで自然発酵させ、熟成させます。
これにより少し酸味のある口当たりのよい美味しいハチミツが出来るのです。
貴重な固有種のミツバチや伝統的な養蜂、そしてそのハチが暮らす豊かな森を守ることに大きくつながります。
地元の限られた人の手で守られてきたトセパンの養蜂を日本の皆さんに紹介し、広大な森の豊かさを体感して頂きたいと思います。
[企画:(株)ウインドファーム]