地球上のさまざまな環境に適応して多様化した昆虫類の中には、血縁集団からなる高度な真社会性を進化させたグループが存在する。著者らの研究チームは、真社会性ハチ類を対象として、基礎と応用研究に取り組んできた。今回は、ニホンミツバチの熱殺蜂球、オオスズメバチの警報フェロモンおよび配偶行動を制御するフェロモン、日本在来種マルハナバチによる施設栽培作物の受粉技術の推進などについて紹介したい。
セイヨウミツバチにおける社会免疫の2つの仕組み、すなわちプロポリスの採取による巣の衛生管理と、衛生的行動による感染症の排除について紹介する。